2026年度 十七世紀英文学会 全国大会・総会・懇親会の御案内

2026年度全国大会(第15回)および総会のお知らせ

全国大会および総会を⻘⼭学院⼤学 ⻘⼭キャンパスにて開催いたします。

日時:2026年9月12日(土) 14時00分~17時00分
場所:⻘⼭学院⼤学 ⻘⼭キャンパス17号館3階17306教室

アクセスマップ:https://www.aoyama.ac.jp/outline/campus/access.html

キャンパスマップ:https://www.aoyama.ac.jp/outline/campus/aoyama.html

全国大会(第15回)プログラム

【開会のあいさつ(14:00~14:05)】 会長:⽵村 はるみ

【研究発表(14:05~16:15)】

1. 14:05~14:45 司会: 川田 潤(東北支部)
解体される台詞、構築される⽬録-17世紀中葉における戯曲テキストの再編成         佐々⽊ 和貴

2. 14:50~15:30 司会:伊澤 高志(東京支部)
「ロミオなんてdishclout」-古布を読み直す                         瀧澤 英⼦

3. 15:35~16:15 司会:廣野 允紀(関西支部)
ミルトンの初期⼩作品における花                             ⾦﨑 ⼋重

【閉会のあいさつ(16:15~16:20)】 事務局長:笹川 渉

研究発表要旨

解体される台詞、構築される⽬録-17世紀中葉における戯曲テキストの再編成
佐々木 和貴(東北支部)

 1642 年の内乱勃発に伴う劇場閉鎖を契機として、演劇は劇場で「体験」する機会が激減し、個⼈的に「読む」対象として広く流通するようになった。本発表では、この過渡期に刊⾏されたJohn Cotgrave 編のアンソロジーEnglish Treasury of Wit and Language(1655)と、Francis Kirkmanによる戯曲カタログ(1661・1671)に焦点を当てる。
 前者が個々の劇作品を分解し、読者が台詞を収集・再利⽤可能なテクスト単位としてパッケージ化したのに対し、後者はそれらの作品を作者・題名・ジャンルなどの書誌的属性によって分類し、購買者が選択・消費できる⽬録を構築した。すなわち、Cotgrave が戯曲の「内部」を商品化したとすれば、Kirkmanは戯曲の「集合」を商品化したといえるだろう。
 前者の台詞の選定基準と後者の分類⽅法(およびその変遷)を具体的に分析することで、⼀過性の上演芸術であった演劇テキストが、検索・収集・所有の対象となる「書物」へと再編成される過程を明らかにする。さらに、このような出版メディアの働きが、内乱による断絶を経て再⽣する王政復古期演劇⽂化にいかなる役割を果たしたのかを考察する。

 

「ロミオなんてdishclout」-古布を読み直す
瀧澤 英⼦(東京支部)

 『ロミオとジュリエット』第3 幕5 場において、乳⺟が放つ「ロミオなんてdishclout」という台詞を論じる。従来、このdishclout は追放処分の⾝となったロミオを、ジュリエットにはもはやふさわしくない相⼿と断じる、粗略な謗⾔として⾒なされてきた。本発表は、同語を「古さ」、すなわち新旧交替が望まれるもののメタファーとして再検討するものである。語義の裏付けとして、同時代⽂献の⽤例に加え、古布の⽂化史を参照し、問題の台詞が、ロミオの存在が「古く」
なったことを告げるものと解釈する。
 さらに、dishcloutに表される「古さ」の帯びる⽭盾にも⽬を向ける。「ロミオなんてdishclout」と述べた乳⺟本⼈やその他の年配者に体現される「⽼い」、戯曲内で繁く話題となる「古び」のイメージ、そして、「古い」と⾒なすものに対して若者たちが⽰す両⾯的な態度を検証し、「古さ」がそれに相対する「新しさ」といかなる関係の上に描かれているかを考察する。「古さ」と「新しさ」が明快な⼆項対⽴を成さず、作中の時間的展開とどのように交錯しているかを整理しながら、本作において「古さ」が果たす役割について⾒解を⽰す。

 

 ミルトンの初期⼩作品における花
⾦﨑 ⼋重(関西支部)

 ミルトンがケンブリッジ⼤学在学中に書いた英詩は、宗教詩として評価の⾼い『キリスト降誕の朝に』を例外として、⼗数⾏から70⾏程度の短詩で完成度もそれほど⾼くなく、ギリシャ・ローマ牧歌や他のルネッサンス詩の影響が強すぎることからも、概ね習作という評価で、あまり着⽬されてこなかった。ただ、ミルトンの詩作の変化という観点から考えると、いくつか注⽬すべき作品がある。
 ミルトンは、後期作品で顕著だが、美しいものや⼈を表現する際に、バラやスミレ、ジャスミンなどの様々な花をカタログ的に並べる傾向がある。ケンブリッジ時代の作品にもその⽚鱗が⾒て取れる。哀歌『咳が死因となった美しい幼児の死について』や、牧歌『五⽉の朝の歌』など、初期⼩作品に描かれるprimrose やcowslip、hyacinthといった花の⽤いられ⽅を、⼤学卒業以降の詩や後期作品と⽐較しつつ論じる。

2026年度総会総次第(16時25分~17時00分)

【報告事項】
1. 各⽀部活動報告
2. 編集委員会報告
3. 2025年度会計報告(資料は当⽇配布)
4. ⽇本学術会議協⼒学術研究団体加盟について
5. その他
【審議事項】
1. 『⼗七世紀英⽂学会機関誌』投稿規定(案)について
2. ⼗七世紀英⽂学会規約改正(案)について
3. その他

 

懇親会のお知らせ

日時:2026年9月12日(土)17時30分~19時30分
場所:restaurant filia
東京都渋⾕区渋⾕4-4-25 アイビーホール1階 Tel: 03-3409-8186
https://www.filia-aoyama.com

参加費:6,000円

懇親会出席のご希望は8月31日(月)まで各支部事務局にご連絡ください。

2026Newsletter No.2_web