新着情報

2021年8月25日 2021年度 十七世紀英文学会 全国大会・総会・懇親会の御案内

2021 年度全国大会(第 10 回)のお知らせ

日時:2021 年 9 月 19 日(日)14 時~16 時 40 分
*Zoom を利用したオンライン開催

 


参加方法

  • 事前申し込みは不要です。奮ってご参加ください。
  • パソコン、スマートフォン、タブレットのいずれでもご参加いただけます。
  • ご参加の際には以下の URL にアクセスしてください(必要に応じてソフトのダウンロードが始まります)。
  • パソコンでアクセスするとお使いのブラウザが開き、「Zoom Meetings を開きますか?」というボックスが出ます。
  • 「Zoom Meetings を開く」をクリックすると会議室に入室できます。
  • その際に「パスコード」の入力が求められますので、下記のパスコードを入力してください。
  • 途中での入室・退室も可能です。

参加 URL:【省略】
パスコード: 【省略】

*参加 URL 等は、各支部からのご案内に明記されています。お手元に届いていない場合は、各支部事務局までお問い合わせください。
*非会員の大会参加を歓迎いたします。ただし、その際には会員が推薦者となり、事前に本部または各支部の事務局にご一報いただくようにお願いをいたします。事務局より折り返し参加 URL をお知らせいたします。

 


プログラム

【開会のあいさつ(14:00-14:05)】

【研究発表(14:10-16:30)】

1.14:10-14:50
ウィザーの心臓図像詩について 植月 惠一郎(東京支部)
司会:松山 響子

2.15:00-15:40
出産と信仰の修辞学 ―John Donne, Anniversaries と産褥マニュアル―
齊藤 美和(関西支部)
司会:松本 舞

3.15:50-16:30
17 世紀イングランドにおける漆器の文化 柴田 尚子(東北支部)
司会:川崎 和基

【閉会のあいさつ(16:35-16:40)】

 


研究発表要旨

ウィザーの心臓図像詩について
植月 惠一郎(東京支部)

George Wither の Collection of Emblemes, Ancient and Moderne (1635)は、1巻 50 葉で 4 巻構成、計 200 葉のエンブレムから成っているが、そのうち 10 葉ほどを占める心臓図像詩の特徴について考察する。このエンブレム集は、御神籤的要素を備え、「政治的に人畜無害な」ものであるが、それぞれのモットーとイメージ部分は、1610 年代前半にケルンで出版された Gabriel Rollenhagen のエンブレム集に由来し、テクスト部分については、本来添えられていた2行詩は 30 行余の詩に書き換えられており、Rollenhagen のものに比べるといっそう重厚な詩集としても読める。

大陸の心臓のエンブレムの伝統としては、Georgette de Montenay においてすでに見られたが、John Eudes と Margaret Mary Alacoque がイエスの心臓への崇拝を復興させた 17 世紀において人気のあるエンブレムの一つとなったことはプラーツが指摘している。中でも Benedictus van Haeften の Schola Cordis (1635)を Christopher Harvey は Schola Cordis, or the Heart of it Selfe … (1647)としてイギリスに移入した。

一方、イギリスでは、このハーヴィーの『心臓の学校』に加え、Donne の“Batter My Heart” (1633)、Herbert の“The Altar” (1633)、Crashaw の“The Flaming Heart” (1652)、Vaughan の Silex Scintillans (1650)の燧石のエンブレムなどの心臓をテーマとした詩の系列が考えられるが、ここでは、とくにハーバートの「祭壇」とウィザーの心臓図像詩との関係などを中心に考察してみる予定である。

 

出産と信仰の修辞学―John Donne, Anniversaries と産褥マニュアル―
齊藤 美和(関西支部)

John Donne の Anniversaries には妊娠・出産のメタファーが散見される。1610 年、15 歳足らずで未婚のまま他界した Elizabeth Drury を追悼した本詩では、Elizabeth を失った世界の病み衰えるさまが、逆子、奇胎、高齢出産、不妊などのイメージで表現される。ここでは、世界はいわば苦難あるいは「脆さ」(“infirmities”)を抱えた妊婦である。Elizabeth は産婆たる死の手によってその魂を取り上げられ、母体としての世界に別れを告げる。Donne は自身もまた、この不毛な世界の一部であるかのように、Elizabeth を弔う本詩を未熟なまま「流産」したのだと語るが、一方でこれからも年ごとに彼女のために追悼詩を「出産」させてほしいと祈りを捧げるのである。

発表では、Anniversaries にみられるこうした妊娠・出産のメタファーを起点としつつ、Donne の Churching Sermons や Devotions upon Emergent Occasions にも触れながら、信仰と出産、誕生と死をテーマに、当時の妊婦のための祈祷や病床・産褥の手引き、妊婦の手記などをとり上げ、当時の出産をめぐる社会的・文学的コンテクストについて考察したい。

 

17 世紀イングランドにおける漆器の文化
柴田 尚子(東北支部)

17 世紀イングランドにも、遠く離れた東アジアから当時としては珍しい品々が入ってくるようになった。その中には、日本の「漆器」も含まれている。その黒檀と表面に施された蒔絵の美しさにイングランドだけではなく、ヨーロッパ中の人々が魅了され、当時あまり知られていなかった日本像の形成に重要は役割を果たしていると言われている。

1688 年にはイングランドでジョン・ストーカー(John Stalker)とジョージ・パーカー(George Parker)による『ジャパニングとワニスの技法書』(Treatise of Japanning and Vanishing)が出版された。当時の人々は自分達の手で東洋製漆器の持つ魅力的な漆塗面を作り出したいと試行錯誤を重ねるが、漆は東アジアでしか生息しないため、イングランドで作ることが難しく、東洋の漆とは関係のない材料を適合することでイミテーションとなる模造漆器の作成を目指した。この模造漆器自体、あるいはその製造方法を「ジャパニング」(Japanning)と呼ぶようになった。

本発表では、17 世紀イングランドにおける漆器の影響について考察する。後にヨーロッパで広まるジャポニズムの足掛かりとなった漆器を通じて当時の人々が日本をどのように見ていたのかを明らかにできればと思う。

 


2021 年度総会のお知らせ

日時:2021 年 9 月 19 日(日)16 時 45 分~17 時 15 分
*Zoom を利用したオンライン開催(URL・パスコードは大会と同一です)

総会次第
【報告・連絡事項】
1 各支部活動報告
2 編集委員会報告
3 2020 年度会計報告(資料は当日)
4 その他
【審議事項】
1 新会長選出
2 新事務局選出
3 その他

 


懇親会のお知らせ

日時:2021 年 9 月 19 日(日)17 時 30 分(予定)から 1 時間程度
*Zoom を利用したオンライン開催(URL・パスコードは大会・総会と同一です)

大会・総会の終了後にオンライン懇親会を開催いたします。お飲み物・お食事等をご自由にご用意いただき、ぜひご参加ください。

2021Newsletter 第2号(ウェブ掲載用・2021年度十七世紀英文学会大会・総会・懇親会)