英語研究書
- ¥2,000 ( 税込 ¥2,200 )
- A5判 並製
- 217 pp.
- 978-4-7647-1184-6
ウォールデン入門講義
佐藤光重 著
- アメリカ文学の古典であるヘンリー・ソロー『ウォールデン』(『森の生活』とも称される)。本書はその全18章の各章について思わず手にとって読みたくなるようなエピソードや着眼点を紹介するエッセイ集である。
Contents
- はしがき
- 凡例
- 第1章 「経済」―ソローの反骨精神とユーモア
- 「比較的に」自由な国アメリカ
- コメディアンの立ち位置
- 筆耕者ソローの自虐ネタ
- 生活の実験
- 第2章 「住んだ場所と住んだ目的」―我々は朝に目覚めているか?
- 粗末な「家」―財より愛を
- 距離の取り方
- 独立記念日―目覚めること、より自由に生きること
- 簡素に、簡素に、簡素に、という経文
- 第3章 「読書」―なぜ古典を読むのか
- 必滅と不滅
- 生まれ変わるための読書
- 気高い修練
- 第4章 「音」―偏在しつつ気が付かないものとは?
- 風の歌を聴け
- 牧歌的楽園と機械
- 回帰する時間と時計の時間
- 第5章 「孤独」―孤独であることの不可能性
- 自然との交際
- 自然との隣人関係/叔母の目
- 孤独と仏性
- 第6章 「訪問者たち」―無知の勧め
- 振舞わないもてなし
- 客人の顔ぶれ
- ホストは誰か
- 第7章 「マメ畑」―藝術家のデモンストレーション
- 筆耕の比喩
- 創作過程にみる寓話化
- 藝術家のデモンストレーション
- 第8章 「村」―市民の反抗
- ホメオパシー―虚栄の市としてのコンコード
- 投獄事件―市民の反抗
- 森の闇と社会の闇―徳と罰
- 第9章 「湖」―森の透明な眼球
- ロマン主義文学の有機体理論―詩人から博物学者へ
- 森の透明な眼球
- 静中動あり
- 第10章 「ベイカー農場」―哀れなのはジョンばかりではない
- 神話的な寓話
- 建国史の寓話
- 気の毒なジョンと哀れなヘンリー
-
第11章 「より高い法則」―野性についての悩み
- 扱いかねる自己
- 葛藤の赤裸々な告白
- 笛を吹く詩人と「騎牛帰家」
- 第12章 「動物の隣人たち」―野性の謎
- 引き継がれる対話
- 深遠な自然界と野性の叡智
- 自然の残忍性と不穏な未来
- 自然との知恵比べ
- 第13章 「暖房」―便利で快適な生活によって失うもの
- 野生種に隠されたテーマ
- 面倒なことの意義
- 消費社会への警鐘
- 第14章 「先住者と冬の訪問者」―涸れた井戸の悲しみ
- 先住者―サトウキビ、ラム酒、解放奴隷
- 冬の訪問者たち―自他不二の境地へ
- 第15章 「冬の動物たち」―野性の文法
- 共生感覚の文学
- 冬を耐える野生の知恵
- 第16章 「冬の湖」―インドへの道
- 朝の勤行
- この世界の片隅に―ソローの立ち位置
- 世間の尺度と自分の尺度
- 人間の尺度とその限界―哲学的な友愛論
- 第17章 「春」―溶け、溢れ、流れる生命
- 春の声―善悪の彼岸へ
- 溶け、溢れ、流れる生命―雪解けの有機体理論
- 春は別れの季節―再生と回帰
- 第18章 「むずび」―度を・越す
- ありのままで
- 申し分のない夏の日―「森の生活」の円環
- 二つの影
- プロコルハルム―内なる宇宙へ
- あとがき
- 主要参考文献
- 索引