金星堂創業100周年

100 years in 2018

2018年9月、金星堂は創業100周年を迎えました。
金星堂は 1918年9月に文芸書の出版社として誕生して以来、今日まで数多くの本を出版してまいりました。
いつの時代にも皆様に喜んでいただける本をお届けするため、次の100年に向けて社員一同、一層の努力を重ね邁進してまいります。

KINSEIDO Album ~early years~
創業者の福岡益雄

創業者の福岡益雄(1894 -1969)。
1918(大正7)年に富田文陽堂から独立して金星堂を設立。社名は田山花袋の提案で「宵の明星である金星」からとられた。

初代社長福岡益雄、二代目靖雄と社員たち

初代社長福岡益雄(前段中央)、二代目靖雄(前段右)と社員たち。

新感覚派

1924(大正13)年には川端康成(右から2番目)が発起人となり、雑誌「文藝時代」を創刊。同人は横光利一、中河与一(左から2番目)ら。彼らは「新感覚派」と呼ばれ文学界に新たな風を吹き込んだ。

伊豆の踊子
伊豆の踊子
文藝時代
文藝時代 創刊号

川端康成の代表作『伊豆の踊子』は「文藝時代」に掲載されたのち、1927(昭和2)年に金星堂より刊行された。

写真提供・近代文学館

ご挨拶

株式会社 金星堂 代表取締役社長  福岡正人

 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 永きにわたる皆様のご支援とご愛顧に心より感謝いたしますとともに、ここに小社の歴史を振り返り、次の100年に向けての道しるべといたします。
 金星堂は、初代社長福岡益雄が1918年に創業しました。新感覚派を始めとする斬新な小説集の発行所として出発し、川端康成、横光利一、今東光、中河与一、伊藤整をはじめとする新進気鋭の作家たちの傑作を数多く世に送り出しました。戦後は、文学から言語それ自体の追求へと出版方針を転換しました。二代目社長福岡靖雄が自身の恩師であり著名な英語・英文学者の厨川文夫先生からご指導を賜り、英語教科書や研究書等の出版社として再出発する運びとなったのです。それ以来、今日に至るまで、金星堂は語学出版社として多種多様な教科書を発行してまいりました。当初は英米文学の小説・短編集あるいは随筆などを中心に出版し、1982年にはベストセラーとなったPolite Fictionsを出版、日米比較文化論エッセイの定番テキストとしてこれまで多くの皆様にご愛用いただいてまいりました。時代の要請に従い、いわゆる総合教材やリスニング教材なども次々と開発してまいりました。1988年にTV News from the U.S.A. のタイトルでスタートしたニュース映像教材の草 分けであるABC World Newsのシリーズは2018年で30年目を迎えます。このシリーズは、当初は先生用ビデオテープのみをご用意しておりましたが、2000年代にはDVD付きとなり、2016年からはオンラインでストリーミング視聴するplus+Media[プラスメディア]へと形式を改め、多くの学生の皆様にご好評いただいております。そのほか、自習用音声の学生向け無料ダウンロード、見本請求や教授用資料のお取り寄せに便利な先生向けウェブサイトE-SPACE、学生の解答状況や理解度を瞬時に把握できるeラーニングシステムCheckLinkなど、時代に合わせたサービスを提供しておりますので、ご活用いただければ幸いに存じます。グローバル社会の波が押し寄せ、語学学習の形態も多様化する現代において、私たちは次の100年を築く歩みを始めています。社員一同、変化を恐れずに挑戦を続けてまいりますので、皆様の更なるご指導とご支援をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

株式会社 金星堂 代表取締役社長  福岡正人